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ポメラdeコラム

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2008年 11月 18日

世界ふれあい街歩きのススメ。


2008/11/18 00:03
うちにはテレビがない。正確に言うとブラウン管、プラズマ、液晶などの表示装置によるテレビがない。あるのはプロジェクターとスクリーン。HDDレコーダーに地デジ、BSデジ、ケーブルテレビが内蔵されている。昼間にテレビを見るという習慣はないし、リアルタイムでテレビを見るのは夜の22時もしくは23時のニュースだけなので暗くならないと見られないプロジェクターで問題ないのだ。番組はキーワードから予約して最初の5分がおもしろいものだけ見る。つまらなければ即削除。テレビ番組作る側もダラダラ見てくる人が減ると大変だなーと思う。ネットの世界の3秒ルール(人はそのウェブを見続けたいと思うか立ち去りたいと思うかを最初の3秒で決めているという説)がテレビにも適用されてしまうからね。

それで、プロジェクターは16:9のワイドでスクリーンは80インチあるからちょっとしたミニシアターの気分。この環境でテレビ番組を見ると今までと見たいものの概念がだいぶ変わってくるんだよね。情報番組的なものはウェブで代用できるので、もっと疑似体験に近いもの、ワイド画面とハイビジョンの解像度をフルに使ったものが見たくなる。そんな気分を叶えてくれる最高の番組が「世界ふれあい街歩き」だ。NHKで放送されてる番組で、全編がステディカム(歩いてもカメラにぶれが伝わらない防振装置)による主観目線で撮影されている。その手法と語り口が見事なまでにイノベーティブ。登場人物はその国の人だけ。ナビゲーターもいない。でも声によるつぶやきが番組を進行させる。

「あー、いい天気だなー。あれっ?あそこでなんか人が集まってる。なにしてるんだろー?すいませーん、こんにちはー」なんて調子でカメラがススッと大道芸人に近づいて行ったりする。「こんにちはー、なにしてるんですかー?」と問いかけると映像の中でその大道芸人は「やあ!いつもここで踊っているのさ」なんて答える。ここまで1カットで撮影しているという具合。驚くことにそのあともカメラは1カットで隣の小学校などに道草して「なにしてるのー?」なんて問いかけ子供たちが「祭りの準備をしてるんだよ」なんて答える。画面に登場する人は常に画面のこちら側、茶の間に向かってしゃべりかけてくる。人の記憶に入り込んだような不思議な感覚。映画で言えば「ストレンジデイズ」や「ブレインストーム」みたいな感じ。この番組の手法と構成を誰が発明したのか、すごく気になる。ハイビジョンになる前のテレビでは同じ手法で番組を作っても効果がなかったと思うけど、16:9のハイビジョン時代にはどんぴしゃ!「世界の車窓から」以来の発明じゃないかな?と思う。

もし、まだの人はぜひ一度見てみて!

2008/11/18 00:17
(川井拓也)

by pomerade | 2008-11-18 00:17 | テレビ


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