ポメラdeコラム

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カテゴリ:映画( 9 )


2009年 04月 15日

映画「ヤッターマン」を見ているとなぜか日本文化について考察したくなってしまう。


(14 APR 2009 新宿ピカデリー)

大人向けおバカ映画。
あと20分短ければ傑作だった。

三池監督を指名したプロデューサーが凄い。
深キョンをキャストした三池監督が凄い。

CGと実写のなじみも日本映画トップクラス。
後半の冷たい色調はらしくなくて地味で残念。
びっくりどっきりメカの出世魚はなかなか良い。

深キョンのコスプレとスーツの似合わない櫻井くん。
地味めの福田ちゃんの股間金属棒でこすられも良かった。
三池監督にはポールバーホーベンに通ずる
大人の悪趣味を感じていい感じ。すし屋のシーンの
特別出演にアニメ時代のファンは感涙である。

なぜかこの映画を見ていると日本文化を考えてしまう。
宗教観のなさがナンセンスさを生み出していたり、
セックスへの照れがエッチ文化を生み出していたり。
ヤッターマンやドラえもんなど高度成長期の傑作は
工業製品への信仰みたいなものを感じさせる。

日本のガジェット&テクノロジー信奉に70年代のヤッターマン
をはじめとしたポップカルチャーが果たした役割は大きい。

農業国ではなく工業国を選んだ日本の宿命について
考えるきっかけになったといえば言い過ぎか。

そういえば、ドロンジョとその一味の絆は
三蔵法師と悟空たちに似ていると思った。
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by pomerade | 2009-04-15 07:10 | 映画
2009年 03月 09日

寄り添うような映画。監督は「そこにいることの天才」かもしれない。


(2009/02/07ユーロスペース)

空とコムローイ~タイ、コンティップ村の子どもたち~

寄り添うような映画。監督は「そこにいることの天才」かもしれない。ラフなカメラワークも特に気にならず、コンティップ村で一緒にファの成長を見守る。ことさら主題を構えるでもなく、それとなく寄り添う。この感じが映画の最大の魅力。おおらかな家族のようなこの村の空気をこの映画を通じて吸ってみてほしい。
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by pomerade | 2009-03-09 19:18 | 映画
2009年 02月 09日

フランス人になったような気分になる映画「PARIS」


(2009/02/05 ル・シネマ)
「PARIS」
★★★☆☆

フランス人になったような気分になる2時間。
クラピッシュ監督作品に共通する「あとあと記憶のように錯覚するような空気感」を楽しめる。

リアルな都市に地図や絵はがきを重ねるというモチーフを使っているのが興味深い。たくさんの登場人物が印象的に出てくるが、それぞれが濃密に絡むわけではなくアメリカ映画を見慣れていると肩すかしを食らう感じはあるが、見終わったあとにボディブローのようにいろんなシーンが脳裏をかすめる通好みの作品かも。とはいえ、ちょっと長すぎ。カメルーンのシーンなどは完全に消化不良。

キャスティングはわき役にいたるまでとても行き届いていて見ていて楽しい。個人的にはそれほど好きではないジュリエットビノッシュだが、微妙な表情や上気していく演技にフランスを代表する女優の貫禄を見た。選曲もおもしろく耳も楽しめる。
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by pomerade | 2009-02-09 18:02 | 映画
2008年 12月 16日

チャーミングなコメディ「理想の恋人.COM」


(16 DEC 2008)

★★★★☆
とても楽しい映画。邦題で損をしているが脚本も演出も手慣れたもので楽しい大人のラブコメディになっている。キャスティングも実にいい。まるでコスプレのようにいくつもの衣装を楽しませてくれるダイアンレイン(でも保育士にはおおよそ見えない)。その父親役の色男クリストファープラマーもチャーミング。なにかとおせっかいな姉はエリザベス・パーキンス。トムハンクス主演の傑作「ビック」のヒロインと言えば記憶にある人も多いだろう。

イタリア映画のように濃すぎておせっかいで愛すべき家族が出てくる。そこにジョンキューザックが「ハイフェデリティ」のようなキャラで登場。ほんとうに彼はこういう役がうまい。たくさんの人物をきっちり描写しながらバツイチのダイアンレインがネットの出会い系に精を出しながらとびっきりの恋を見つけるまでの奮闘ぶりを軽快に描いていく。

映画全体から漂うチャーミングなムードが実にいい。
週末のホームシアターにオススメのラブコメディだ。
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by pomerade | 2008-12-16 17:55 | 映画
2008年 12月 15日

中途半端な作風「ナイロビの蜂」


(15 DEC 2008)

★★☆☆☆
冗長なメロドラマ。退屈で長い。

アフリカにおける製薬会社の陰謀暴きをベースにしたラブロマンスなのだが、この陰謀暴きがあまりに陳腐なのでなにももりあがらない。レイフファインズははまり役でいい感じだが、主体性のない役柄なので観客はあまり感情移入できないままダラダラと彼の旅につきあわされることになる。

見たあとの感じは「イングリッシュペイシェント」に近い。なんだか長かったけどすぐ記憶から消えるだろうな、って感じ。絵はきれいで撮影監督の手腕は誉めたいところ。
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by pomerade | 2008-12-15 17:52 | 映画
2008年 12月 14日

下町情緒あふれる「しゃべれどもしゃべれども」


(14 DEC 2008)
★★★☆☆

向島、浅草、下町。いい感じの江戸情緒が残っている場所を舞台とした現代劇。落語というものはクラシックに近いものなんだなあーということが分かる。演目(曲)は同じでも噺家(指揮者)が変わるとまったく違うものになるという。

主演の国分太一も安定感のある演技だし、ぶっちょうずらの香里奈も控えめでいい感じ。特に師匠役の伊東四朗は本当の落語家か?と思わせる自然さ。

下町の銭湯でひと風呂浴びて町を歩いているような
気分になれる小粋な映画といったところか。
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by pomerade | 2008-12-14 17:48 | 映画
2008年 12月 01日

「未来を写した子供たち」のリアリティ



(1 DEC 2008 銀座シネスイッチ ★★★★☆)

とてもとてもズシリときた。赤線地帯に住む子供たちというテーマ。そこに観客はカメラとともに放り込まれる。怒号と喧噪、そして悪臭が立ちこめるスラム。映像からはその匂いまで漂ってきそうだ。

しかし、子供たちの目はカメラを通して輝きはじめる。

「写真はすごいと思う。その人が死んでしまっても写真があれば一生会えるんだもんね」

子供たちは写真を撮りながら、自分の家族や境遇について語る。その語り口のおそるべき冷静さ。過酷な環境の中で自分の妹の将来を案じ、ヤク中になった父親への愛情を語る。この作品はこうしたテーマを扱いながら極めて冷静に映像を進めていく。撮影、構成、編集、音楽、どれをとっても一級だ。特に音楽のセンスがずば抜けていてそれがシビアなテーマの作品に躍動感をもたらしている。

そしてなによりも彼らの目が捉えた写真の素晴らしさ。
これがこの作品に希望の光を与えている。

ワールドフォトプレスにインド代表の子供カメラマンとして選ばれるアヴィジットと思慮深いゴウルの言葉が印象的だった。優れた映画は終わってからも観客の脳裏に登場人物が生き続ける。この映画はドキュメンタリーなので登場人物はこの瞬間もあの町で日々を生きている。彼らと同じ時代に生きていることを忘れないでおきたい。

映画「未来を写した子供たち」
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by pomerade | 2008-12-01 21:32 | 映画
2008年 11月 15日

イーグルアイは2001年のHALを思い出させる。

(15 NOV 2008 新宿ピカデリー)

主演の二人も演出もよく楽しく見られた。巻き込まれ型というハリウッドが得意とするシチュエーションで最後まで引っ張るのがすごいが、中身は「2001年宇宙の旅」の人工知能の反乱というテーマにCCTV時代のハイテク演出でトッピングという感じ。

「ボーンアイデンティティ」シリーズの登場以来、ハリウッドのカーアクションの編集技術は著しい進歩でこの作品も複雑なカメラアングルと超絶なカッティングで楽しませてくれる。コンピューターが「エイリアン」に出てくるマザーを巨大化したようなものすごい装置だったが、スピルバーグは「マイノリティリポート」でも犯罪予告のプリコグの表現に無駄にお金をかけていたことを思い出す。

主演の女優は日本ではまだなじみがないが、とても良かった。ちょっとダイアンレインを彷彿とさせる顔だが、より線が太く母性が感じられる。もう一方の男の子もひょろっとしたエドワードマクノートンみたいでうまかった。音楽はハンズジマーっぽい旋律に感じたが違う人みたい。監督も含め、この映画のスタッフやキャストはこれから伸びていくのではないだろうか?
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by pomerade | 2008-11-15 23:28 | 映画
2008年 11月 15日

新宿ピカデリーと新宿プラザ。


2008/11/15 21:00
新宿ピカデリーのロビー。ここは今年できたばかりのシネコンだが、ロビーが独特のデザイン。白いタイルの床に白い天井。赤や青のビーンズのような椅子が並び、まるで「2001年宇宙の旅」に出てくる宇宙ステーションのロビーのようだ。ピカデリーというロゴや、トイレのサインなどもかわいらしいデザインで行き届いている。この映画館ができてから、もっぱら新宿での映画鑑賞の定番になった。同じシネコンでも六本木ヒルズのバージンシネマなどはどうもチケット売場回りにくつろげる場所がなく落ち着かない。

そういえば、最近マイミクの友人の日記で「新宿プラザ」の閉館を知った。西武新宿線沿線に住んでいた自分はもっぱら映画といえば歌舞伎町のミラノ座か新宿プラザだった。特にハリウッドの大作はだいたいこのどちらかの劇場にかかった。大きくて古い劇場は映写システムの問題もあり、映写ランプが暗かったり音の迫力に欠ける傾向があるが、ノスタルジー的には自分にとって学校だった場所がなくなってしまうような気分だ。

さて、今日は新宿ピカデリーで「イーグルアイ」を見る。どうだろう?

(川井拓也)
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by pomerade | 2008-11-15 21:00 | 映画